大麻・危険ドラッグ・処方薬などの薬物依存症からの回復を願い、
専門医療の情報を求めるご本人からの、次のような相談を受け付けています。
薬物依存症とは、薬物を使用しているうちに次第に量が増えたり、止めようと思っても止められなくなったり、いったん止めてもまた衝動的に使用してしまう病気です。薬物依存症は癌と同じ進行性疾患で、知らず知らずのうちに罹患して、次第に重症化していきます。薬物の種類に関わらず、重症化すると、せん妄(記憶が無い状態で様々な行動をしてしまうこと)・幻聴・幻視・被害妄想などの、重大な精神症状を呈するようになり、最終的には、記憶力や思考力、判断力などの大脳機能が失われていく、恐ろしい病気です。
薬物依存症を引き起こす物質を依存性薬物と言います。依存性薬物は、睡眠薬・抗不安薬・鎮痛剤・咳止め・大麻など、多岐にわたります。医師が処方した薬や、皆さんの身近にあるお薬も、依存症を引き起こすのです。
このような薬物依存症を治すために新しい治療法が開発されています。
SMARPP・条件反射制御法・短期心理教育・処方薬依存のための特殊薬物療法などです。これらはいずれも、入院せずに通院で治せるという利点があり、特に重症化する前の方に有効です。これらの治療はできるだけ重症化する前に開始することがおすすめですが、「依存症から抜け出したい」というモチベーションさえあれば、ある程度重症化している方でも十分に効果を発揮します。
専門医療
短期心理教育
薬物使用を断っても、薬物を使用したときの快感は記憶に残っています。このため、薬物使用欲求が出れば押しとどめるのは大変で、再使用に至ることも珍しくありません。どれほど長く断薬していても、1回でも再使用すれば、さらなる使用を制御することはできなくなってしまいます。
依存症の治療は、再使用欲求との戦いです。特に、断薬後の1年間は再使用欲求が強いので、ここをどう乗り切るかが依存症治療の課題となっています。
一般に再使用防止プログラムは、完遂に長期間を要するので、お仕事をされている方などには負担が大きすぎることがあります。短期心理教育も、薬物再使用を防止するためのプログラムですが、忙しい方でも利用できるように、短期間で終了するように作成されています。特に、大麻、覚せい剤、危険ドラッグなど、衝動的に再使用しやすい薬物依存症に有効ですが、睡眠薬、抗不安薬、咳止めなどの薬物依存症の方にも効果は発揮されます。
処方薬依存症のための特殊薬物療法
処方薬依存症とは、主として睡眠薬と抗不安薬の依存症のことです。睡眠薬・抗不安薬は、医師が処方する薬だから安全と思われがちですが、実際には非常に依存性の強い薬剤で、処方薬依存症者数は国内で数万人に上るとも言われています。
睡眠薬・抗不安薬は、他の依存性薬物に比して離脱症状が強いのが特徴で、急にやめると命の危険にさらされることもあります。このため、処方薬依存症の治療は、依存している薬物を一気に切るのではなく、漸減しながら他の薬剤に置き換えていくという方法をとります。時間をかけて慎重に行う必要がありますが、時間をかければよいというものでもありません。出現する離脱症状の強さを予測して薬物療法の計画を立てることが重要で、基本的には薬物依存症を専門的に診ている医師にゆだねるのが安全です。
スマープ(SMARPP)
薬物依存症の方の回復を支援するために開発された認知行動療法プログラムです。「やめたくてもやめられない」といった同じ思いを持った方々が集まり、テキストを通して依存症について勉強したり、悩みを共有する中で回復に向けて取り組みます。薬物依存症は、自分の意思だけではなかなか打ち勝つことのできない病気として捉える必要があります。薬物を使用してしまうときの「引き金」や「スイッチ」を知り、対処法を探していくことが、回復には重要なテーマとなります。まずは、同じ悩みを持った方の話を聞くだけでも治療として大切な第一歩です。
条件反射制御法(CRCT)
パブロフの条件反射の理論をベースにして体系化された治療法です。やめたくてもやめることのできない行動を、条件反射という行動原理から理解し、人間的な脳が動物的な脳を上手に扱うことを目指します。CRCTは、いくつかのステージに分かれていて、ステージごとに行う課題が決められています。具体的な作業課題を繰り返し行うことで、望まない嗜癖行動を進める神経活動をストップする力を育て、様々な刺激の影響力を弱めていきます。欲求を効果的に抑制することが期待され、嗜癖行動から抜け出すために役立ちます。
相 談 日 | : | 月~金曜日(土・日・祝日・年末年始を除く) |
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相談時間 | : | 9:00~12:00 / 13:00~15:00 |
費 用 | : | 相談費用は無料です。 |
ご相談に際しての留意事項
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